育児初心者の歩み

プレパパによる育児の準備

産休・育休中に収入はどう変わる?

出産の前後では、産休・育休でお仕事を休むことになります。
仕事を休んでいるので、給料はもらえないのですが、
出産手当金、育児休業給付金などが支給されるので、
収入がゼロになるわけではありません。

これらの手当・給付金は、休業前の給料に応じて決まりますが、
給料と同額というわけにはいきません。

とはいえ、手当・給付金は所得にカウントされないので、
所得税などの税金の対象に入りません

つまり、給料の3分の2が支給されるとしても、
手取りが3分の2になるという意味ではありません。

そうなると、諸々が引かれた給料の手取りと、
手当・給付金による収入とでは、
実際にどの程度違いがあるのか
が、
気になってきますね。

この記事では、上のような観点から、
産休・育休中の収入の違いを見ていきたいと思います。

普段の給料から引かれているもの

普段受け取る給料は、
税金や社会保険料が引かれたものになっています。
いわゆる手取りというものですね。

大まかに分けると、引かれるものは次の3つです。

所得税

所得税は、所得の一定割合を収める税金です。
実際には、いくつかの控除額を差し引いた額を基に、
税額が決まるので、少々計算は面倒です。

産休・育休中に受け取る
出産手当金や育児休業給付金は所得に含まれないので、
これらに対する所得税はかかりません。

住民税

住民税は、住んでいる自治体に収める税金です。
一定額分と、所得額に応じて決まる額の合計として、
税額が計算されます。
所得税より若干複雑ですね。

一定額分については、育休・産休中もそのままですが、
所得税と同様に、手当・給付金に対しての住民税はかかりません。

社会保険料

社会保険料とは、健康保険などの保険を受けるために、
支払っているお金です。

例えば、20歳以上が全員加入している
国民年金の保険料は、月額16,340円(平成30年度)と定められています。
年金に関しては、さらに、厚生年金や共済年金の上乗せ分を払うことになります。

育休・産休中には、この社会保険料(健康保険・年金)の支払いが免除されており、
払わなくても払ったことにしてくれています。

産休中

出産手当金

産休中に給料の代わりに、受け取れるのは、
出産手当金です。

これは、給料の3分の2の額が支給されます。
より正確には、産休の期間(土日祝も含めて)1日あたり、

直近12カ月の平均月給 ÷ 30(日) × \frac{2}{3}

で計算されます。

これが普通の給料なら、ここから税金や社会保険料が引かれるのですが、
上で書いたように、それらは引かれることなく、そのまま受け取ることができます。
(ただし、住民税は、1年前の分を遅れて払うので注意しましょう)

出産育児一時金

出産手当金とは別に、
出産する赤ちゃん1人につき42万円が支給されます。

通常、妊婦検診や分娩およびそのための入院では保険が適用されず、
多額の費用がかかることになります。

分娩やその入院費だけで平均50万円程度かかると言われており、
出産一時金は、その費用でほぼ消えることになります。

この出産育児一時金も、所得に含まれないので、所得税などの対象外です。

金額シミュレーション

月給が20万円の場合を考えてみましょう。

計算過程は後回しで、結果を表にまとめました。

手元に入ってくるお金も減るには減るのですが、
3分の2になるというほど酷いものではありませんね

少しほっとできます。

産休前 産休中
収入 200,000円 133,333円
厚生年金保険料 18,300円 0円
健康保険料 10,100円 0円
所得税 3250円 0円
住民税 7400円 483円
合計 161,850円 132,850円

※ ただし住民税は一年遅れで払う

産休前であれば、社会保険料が引かれます。
まず、厚生年金保険料が18,300円、
そして、健康保険料が10,100円 です。 (地域によって違います。)

年間では、240万円の収入に対して、
340,800円が社会保険料として納められます。

年収に対して、給与所得控除と、基礎控除社会保険料を除いて、
課税される所得を計算することにします。

基礎控除所得税の場合38万円、
住民税の場合は33万円です。

給与所得控除は、
240万円*30%+18万円=90万円
です。

したがって、
所得税の課税所得: 240 - 38 - 90 - 34 = 78万円
住民税の課税所得: 240 - 33 - 90 - 34 = 83万円
となります。

この場合、所得税の税率は5%なので、
78万円*5% = 3.9 万円が年間の所得税になります。

一方、住民税は一定額(地域による)に所得の10%なので、
5800 + 83000 = 8.88万円が年間の住民税になります。

育休中

育児休業給付金

育休中に給料の代わりに受け取れるものが、
育児休業給付金です。

こちらは、育休の期間に応じて金額が変化し、
6カ月までは、元の給料の3分の2が、
それ以降は、元の給料の半分が支給されます。

より正確には、育休により仕事を休業した日1日に対して、
平均月給÷22(日)× \frac{2}{3} or \frac{1}{2}
が支給されます。

児童手当

子ども一人当たりに毎月定額の手当が支給されます。

3歳未満であれば、
所得制限にかからない限り、
月額1万5千円が支給されます。

金額シミュレーション

産休中と同様に、月収20万円でシミュレーションを行ってみます。

育休前 育休中(6カ月まで) 育休中(6カ月以降)
収入 200,000円 133,333円 100,000円
厚生年金保険料 18,300円 0円 0円
健康保険料 10,100円 0円 0円
所得税 3250円 0円 0円
住民税 7400円 483円 483円
児童手当 0円 15,000円 15,000円
合計 161,850円 147,850円 114517円

流石に6カ月目以降になると、
減ったなという印象でしょうか。

とはいえ、「2分の1になる」という
文面から受ける印象よりはマシなことが分かりますね。

まとめ

産休・育休中の収入の変化について、
みてきました。

産休・育休中は給料が3分の2、半分になると聞くと、
結構減る印象を受けますが、
税金や社会保険の面で優遇されているので、
計算してみると、思ったよりは減らないかなという感じでした。